第四章

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第四章

 捜査本部に入った沢泉は、すぐに会議室全体の落胆の空気を感じた。 沢泉と柿崎が入っていくと、本部捜査一課第八係係長 長峰警部が来て、 「犬の遺体から覚せい剤は検出されませんでした」 と、報告した。 「そうか」 とだけ 沢泉は答え、すぐにひな壇の定位置に座った。柿崎も続く。  会議が始まろうとした そのとき、ドアを開け、6人の男たちが入ってきた。 そのうちのひとりが、 「本部組対3課2係です。要請により応援にきました」 と告げた。 「ほお」とか「おお」とか静かな歓声が上がった。 所轄課長と署長、第八係長、沢泉が立ち上がり、挨拶を交わした。 ((ひと)係丸ごと寄越してくれたか) 沢泉は心中で驚いていた。 応援である以上、手柄にはならない。せいぜい、ひとりかふたり と踏んでいたのだ。 (合田さん、一体どんなコネクションを持っているんだ) 会議が始まった。
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