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私の秘密は、
私、市原紀子には秘密があります。人間誰しも人には知られたくない秘密というものを持っていると思うけれど、私の秘密は特に異性にバレてはいけないものだ。
そう、彼氏である高橋司なんかにバレた日には、私は自害してしまうかもしれないくらいの秘密だ。
私はオタクであるが、そのなかでも「同性愛」が特に好きな人種なのです。かなりどハマりしてて、自分で同人誌を描いているレベルの。しかもかなり過激なのを。
後半はかなり重要だ。だってあんな「うふーん、あはーーん」している漫画を司に見られたりした日には、私はスカイツリーを階段ダッシュしながら「ああああーーー」と叫び、そして力つきるだろう。展望台にまでたどり着くことなく、運動不足で倒れるだろうと思われる。そして、色々とショックすぎて「ショック死」してしまうだろう。なんと悲しい人生なのだろう。
ちなみに、オタクだということを司は知っている。司もオタクだし、その関係で出会って付き合いだしたのだ。
いくらオタクと言っても、「同性愛のやつが好きで、過激に絡んでる漫画を描いてます」なんて異性である人に、ましてや初対面で言えるわけもなく。ある程度気心が知れて仲良くなってカミングアウトの時を考えていたら、司から告白されてオーケーしてしまった。彼氏になってしまった司に、さらに「そんなこと」を言えるわけもなく、現在に至るのだ。
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