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三年前、初めて宝くじを買った。
休みの日に妻と二人で買い物に出かけ、宝くじ売り場の前を通った。
「一回、買ってみるか?」
「当たるわけないよ。でもまぁ、たまにはいいわ」
財布から金を出し、連番で十枚買った。
家に帰ってから、私以上に妻は発奮し、「もしも当たったら……」と言いながら幾つもの夢を語った。
うれしそうに話す妻の顔を、久しぶりに見た気がした。
当たるはずはないと私も心の底で思いながら、しばし馬鹿みたいに夢物語を言い合った。
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