第1章 再会

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それって、また会うってこと? わたし達既婚者同士だけど……。 って、でも勇君が頼んでいるのは論文の評価と検証だから、なんにもやましいことは無い……。 友達の手助けってことだよね。 じゃあ、大丈夫だ。 って結論出して 「わたしに役に立てることがあれば、喜んで協力させてもらうね。」 と、連絡先を交換した。 勇君と話していたら、あっという間に時間が過ぎていて、お開きの時間になっていた。 二次会に向かう人、家に帰る人と、それぞれに散っていく。 夢中になって話をしていたら、他の同窓生とは挨拶程度になってしまったし、真奈美ともう少し話がしたかった……と思って会場を見渡して真奈美の姿を探したのたけど、もう会場を出た後のようだ。 辺りを見渡すわたしを気遣い、勇君は 「はぐれちゃった?二人はしょっちゅう会ってるんじゃないの?」 と尋ねられたので 「実は2年ぶりなの……。同窓会がきっかけで連絡取れたの。」 「え、そうなの?僕とずっとしゃべってて大丈夫だった?」 と心配してくれる勇君。 「うん、大丈夫。真奈美とは近いうちにまた会うから。」 とその場を取り繕った。 「今日は久しぶりに会えて良かった。これからはいいお友達でいさせてね。」 と自分にも言い聞かせるように線引きした。
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