僕の家出日記

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それから何年もの月日が流れ、 僕はすっかり歳をとっていた。 今朝の新聞の小さなコラムに、 小学校のすぐ隣にある雑木林で、猫の死体が見つかったという記事があった。 たまたま見つけた小学生達が死体を埋葬した事や 命の大切さを啓蒙するような内容が書かれていたが、 そんな事はどうでもよい。 そこには紛れもないあの猫の名前が載っていたのだ。 あの子がいつか話していた、理想の死に場所を見つけられたのだとすぐにわかった。
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