花嫁衣裳

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「会っても、いいんですか?」 「お支度できましたので、どうぞ。とてもお綺麗ですよ。」 「じゃあ、失礼します・・・・・。」 鏡越しに、ドアを開けた向こうの彼と目が合う。 羽織袴姿の彼。 この日のために切った髪が、彼の顔立ちをより一層はっきりとさせている。 あまりの凛々しさに、息を飲んだ。 「・・・・・。」 「・・・・・。」 二人で茫然と見つめあっていると、美容師さんたちが「まあ、カッコいい新郎さま。」とか「お似合いですね。」と声をかけてくれて、ハッと我にかえった。 「ユリ、やっぱり着物も似合うな。」 「洋一さんも・・・。」 「俺は、七五三みたいじゃないか?」 「そんなことない・・・似合います。」 「そうかな。」 「とっても、素敵です。」 「ありがとう。」 彼は照れ臭そうに中指でメガネを上げると、微笑みながら何度も頷いた。 「とても、綺麗だよ・・・ユリ。」 ため息を吐くように、彼は言ってくれた。
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