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カレーライス2
「ユリ、すっげぇいい匂い。」
氷室さんリクエストのチキンカレーを用意する。
彼が望んでいるカレーはどんなカレーなのか、不安だったけれど悩んでもしょうがないので、結局私の母が作るカレーと同じものにした。
「はい。どうぞ。」
「いただきます。・・・・・旨い!!」
「・・・・・良かった。」
「ユリのカレー、すげぇ。肉やわらけーし、ちょうど良い辛さだよ。」
「これは私の母の味カレーですよ。・・・氷室さんのお家のカレーは?どういうカレーですか?もっと辛いとか。」
「んー・・・・・覚えてない。」
「は?」
「俺のおふくろ、あんまりカレーは作らなかったな。給食のカレーが好きだったから、おふくろに『作ってくれ』と頼んだことはあったけど。」
「・・・・・。」
「親父が毎晩晩酌するから、俺の晩飯はもっぱら酒の肴でさ。うーん・・・煮魚や刺身が多かったような気がする。やっぱカレーは日本酒と合わねぇからな。」
氷室さんから初めてご両親の話を聞いた。
自分の育った家とはまるで違う、彼の育った環境。
それに驚くと同時に、私はあることに気づく。
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