カレーライス2

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私たちが結婚すると、私の両親と兄は氷室さんの家族となり、氷室さんの両親とお姉さん二人は私の家族となる。その兄弟姉妹にも家族がいて・・・ 結婚とはそうやって、大切な家族が増えていくことなのだ。 目の前で私の作ったカレーを、美味しそうに頬張る彼を見て、そんな未来を運んでくれたことも含め、しみじみと愛しく思った。 「ユリ・・・・・出来ればさ。」 「はい?」 「味噌汁があったら、最高。」 「えっ?カレーなのに味噌汁ですか?」 「ま、できれば。インスタントで構わないからさ。」 「ええっ。」 「だって俺、汁物が好きだから・・・。」 「ふふ、わかりました。次は用意しますね。」 カレーひとつとっても好みは分かれる。 生活をともにしていくと、きっともっとたくさんの違いがわかってくる。 育った場所が違えば、様々な習慣も違う。 料理の味付けにしても、氷室さんのお母さんの味と私の母から受け継いだ味は全く違うだろう。 戸惑いはあるだろうけれど、それを摺り寄せていくことを楽しめれば良いかな・・・
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