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ごめんなさいの意味
「・・・・・・・え?」
首の後ろへ指を差し込んで、熱くなり始めたキス。
私の言葉を聞いて、氷室さんは驚いた顔で手の力を抜き、視線を合わせる。
「氷室さん、ごめんなさい。私・・・。」
「・・・・・・・・なに?」
「・・・・・・・・・。」
「何だよ・・・どうしたんだよ、ユリ。」
「ダメなの・・・・。」
「・・・・・・・・・え?」
「あの・・・氷室さん・・・したいでしょ?今。」
「そりゃ・・・したいけど・・・。」
「・・・・・・・・。」
「・・・・えっ・・・何っ?どういうこと?」
「今日は、ダメなんです。」
「・・・・・・・・はい?」
「だからぁ・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・女のコの日なの。」
「・・・・・・あぁーっ!!そういうこと?」
氷室さんは私から離れると、キッチンのシンクの縁に突っ伏して、力なく項垂れた。
「はああーっ、びっくりしたぁー!」
彼のあまりの動揺ぶりに、言葉もない私。
大きな溜め息を吐いて、氷室さんは再び私を抱きしめる。
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