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「ユリ、驚かすなよ。」
「へっ?驚かしたつもりはないですけど?」
「浮気をする、しないって話をしてたろが。」
「・・・・・・はい。」
「そこに『ごめんなさい』なんて言われてみろ。一瞬頭の中が真っ白になったぞ。」
「・・・・・・やだ!私が浮気したと思ったんですね?・・・私、氷室さんとしか嫌ですよ。」
「・・・・・・・。」
氷室さんはじっと私を見たあと、手首を掴んでキッチンからソファへと移動し、そこに座るよう目で合図をした。
彼は隣に腰を掛けて、私の両手を握る。
「ユリ。」
「はい・・・・。」
「俺は、浮気はしないよ。」
「・・・・・・・。」
「男は浮気をするとき、『魔が差して』とか『酔っ払って、つい』とか言って、正直・・・気持ちがなくてもヤれる。そういう動物だ。」
「・・・・・・・。」
「ありえないけど、例えば俺が浮気したら、ユリはきっと許す許さないの前に俺の側からいなくなるだろ?ユリは・・・そういう女だろ?」
「・・・・・・はい。たぶん。」
「ん、だろ?・・・・だから俺はおまえを裏切らない。俺がどんだけユリに惚れてると思ってんの?・・・ユリが俺から離れていくなんて、堪えられないから・・・だから浮気はしない。」
「・・・・・・・・。」
「わかった?」
「・・・・・はい。」
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