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晴れの日
羽織袴と白無垢の二人。
式を挙げるため、神殿にすすむ。
雅楽の音。
装束の斎主、巫女たちの舞。
三三九度では、盃を持つ手が震えた。
両家の親族が見守る中、誓いの言葉を読み上げる。
「「本日を吉日と選び定めて大神の広前にて、洋一とユリの夫婦の契りを結び固むることは
尊き神の御心に依ることと悦び奉り、今より千代に八千代に相睦び相親しみ、仮初めにも夫婦の道を違うことなく
相誘い相助けて、子孫の繁栄を計るべきことをお誓いもうしあげます・・・。」」
「夫 氷室洋一。」
「妻 ユリ。」
神殿に玉串を奉納。
彼のメッセージが刻印された指輪を交換する。
指にきちんと指輪が嵌まると、少しホッとして彼の顔をチラッと見る。
彼も同じ気持ちなのか、私を見て微笑んでいた。
結婚式当日になって、初めて会う方がたくさんいた。
彼のお姉さん2人とそのご家族。
上のお姉さんはアメリカから、下のお姉さんは長崎から、この結婚式のために家族で駆けつけてくれた。
2人ともとても優しくて、「洋一にお嫁さんが来てくれると聞いて、ずっと会いたかった。こんな可愛い妹ができたなんて、夢のよう。」と言い、お母さんのように手をまあるく撫でてくれた。
親族の控え室にご挨拶にいくと「おおーっ!」っと歓声があがって、拍手で迎えてくれた。
どの顔も、彼のお父さんに似ていたりお母さんにそっくりだったりして、不思議と初めて会う気がしない人達にホッとした。
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