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ながい一日
「もしもし?お母さん?」
『あら、ユリちゃん!今どこなの?』
「式場があるセンタービルのホテルよ。さっき二次会が終わって、お部屋へ入ったところなの。」
『そっか、ホテルに1泊してから新婚旅行へ行くって言ってたもんねぇ。すっかり終わって、ホッとしたから電話をくれたのね?ありがとう。・・・洋ちゃんは?そこにいるの?』
「いるよ。・・・いるけど、実は・・・・・。」
結婚式が終わったあと、会社近くのレストランを貸し切って、沢田さんやナオミちゃんが中心となり二次会パーティーを開いてくれた。
そこは、彼と出逢った思い出の場所。
外商部や人事部の社員はもちろん、それぞれの同期の仲間とか、時計や着物売場の派遣社員まで、とにかく大勢の人たちが集まって、賑やかなものだった。
みんなが笑顔で心からお祝いをしてくれた。
しかし・・・・・
彼の仲間である外商の社員たちが、どんどんお酒を注ぎにくる。
彼はそれを飲む。
ワーッと、盛り上る。
次の外商社員がお酒を注ぎにくる。
彼がそれを飲む。
また、ワーッと歓声があがる。
そして次の・・・
これを何度か繰り返しているうち、お酒に強い彼が遂には酔い潰れてしまった。
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