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「・・・・・ってぇー。」
彼が頭の横に手を当てて、顔をしかめる。
「二日酔いでしょ?」
「うーん。最悪・・・。」
「昨日は飲まされてましたからねぇ。」
「だなぁ、途中までは大丈夫だと思ってたのに。・・・アイツら、容赦ねえから。まったく。」
「ふふっ、でも楽しそうでしたよ?」
「それはそうだな。でも・・・ごめん、ユリ。」
「・・・・・?」
彼がまた私の頬を、手のひらで覆って親指だけ動かし、撫でる。
その顔をじっと見ると、ニヤッと笑った。
「一人で寝ちゃってごめん。新婚初夜なのに。」
「・・・・・。」
「あーあ。俺、ちゃんとアレを持ってきてたのになぁ。」
「・・・・・えっち。」
「まあね。」
二人でクスクス笑いあって、またキスをした。
「今もしたいんだけど、二日酔いで頭いてえから、ダメだー。」
「・・・じゃあ二日酔いが治ったらね?」
「あー、ちくしょう。ユリを抱きたいよぉ。」
「・・・・・もう、ずっと一緒ですから。」
「・・・ん・・・そうだね。」
「・・・・・。」
「ユリ・・・」
「・・・・・。」
「ずっと、おまえと一緒だ。」
「・・・はい。」
「愛してるよ・・・・・ユリ。」
これからは、ずっと同じ道をあるく。
こんなにもあなたを好きになって
あなたも私を好きでいてくれて
私のもとにおとずれた
あなたと同じ未来への切符。
これからは二人だから、なにも怖くない。
これからは二人だから、なんでも乗り越えられる。
世界でたった一人だけの
最愛のあなたと伴に・・・・
【 ~ 完 ~ 】
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