世界に一人だけのひと

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昨日、彼と結婚の約束をした。 海辺で初日の出を見ながら、彼は素敵なプロポーズをしてくれた。 私はこの先の人生を彼とともに歩くことに迷いはなく、それにこたえた。 「振り袖は独身女性の着物だから、来年は着ることが出来ないよ。」 「はい・・・・・そうですね。」 握る手に力を入れて笑う彼に、私も微笑んだ。 今年最初の電車デート。 8分間。 私たちは時々見つめ合い、幸せを噛み締めた。 華奢なフレームの眼鏡をかけたその瞳は この世に星の数ほどいる人の中で 私を選んでくれた・・・ 少し指先が冷たいその大きな手は 未来の私をずっと守ってくれる・・・ 触れると柔らかなその唇は 私に愛を囁き続けるだろう・・・ 私は、彼の『婚約者』になった。
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