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目が離せない2
「このまえ言ったこと、覚えてる?」
「・・・・・?」
「あ、覚えてないんだ・・・ふうん。」
ソファに並んで座っていた彼が、急に片膝をソファの背もたれと私の間に入れ、体の向きを変えて、私を挟むように密着する。
ニヤリと笑って、私の腕を引っ張ると、腰に手をまわす。
「えっ?」
「・・・・・なに?」
「襲わないって、言ってたのに。」
「襲わないよ、一方的にはな。これからユリがしてもいいって言うんだ。」
「そんなこと言わないですっ。」
「・・・・・ユリ?」
氷室さんが私の耳に唇をつけて、囁く。
刺激されて、体がビクッと動く。
「だから・・・明るくてイヤ。」
「いいって言って?」
「う・・・・・。」
「いいだろ?・・・ユリ・・・したい。」
「・・・・・あっ。」
「俺、『次は我慢しない』って言ったんだよ。」
「・・・・・・。」
「ね・・・・ユリ?」
「・・・・・・ずるい。」
「まあね。」
私の両腕を氷室さんの首にまわしたら、それを答えだと悟った彼は私に覆いかぶさる。
確かに、私に「浮気はしない」と宣言した日、今日は我慢するけど次はしないと言っていた。
その記憶がよみがえり、顔が熱くなる。
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