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電話の声
『そう・・・ご両親に言ってくれたんだ。』
「はい・・・・。」
自分の部屋で、氷室さんに電話をしていた。
その姿は見えないけれど携帯ごしの、優しい声に酔いしれる。
さっき両親へ、氷室さんと私の二人に結婚の意志があることを伝えた。
おそらく反対はされないだろうと思っていたけれど、両親の反応はその想像を越えて、娘の私に対する深い愛情が感じられるものだった。
嬉しくて、ありがたくて、尊くて、私は涙が止まらなかった。
『そうか・・・』
「・・・はい。わかってくれました。」
『あーあ。』
「・・・・・?」
『俺・・・もっと頑張んねぇとなぁ・・・』
「そんな・・・氷室さんは今のままで充分ですよ?」
『いや、まだまだだよ。・・・そんな大事な娘を俺はもらうんだ。いつかユリの両親に、自慢してもらえるくらいの男じゃないとな。』
「・・・・・・。」
『コイツに娘を嫁がせて良かったと・・・思ってもらえるようになりたいよ。』
「氷室さん・・・」
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