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1人目、那須与一ーー古典・平家物語「扇の的」でお馴染みの伝説の弓術者。ひとたび矢をつがえさせれば外すことはなく、もはや今を生きる弓道部員にとっては神のような存在となっている。謎多き人物で、いつ、どこで死んだのかもはっきりしていない。
2人目、佐藤継信ーー義経四天王の一人。忠義に厚く、義理堅い人物であったといわれる。弟の忠信を溺愛しすぎて、もはや夫婦かと思ったとは、現在の義経による談。屋島の戦いの折、義経の身代わりとなって戦死。
3人目、佐藤忠信ーー義経四天王の一人で、継信の弟。幼い頃から義経をずっと慕い、憧れの的にしていた。ペットにしたいって言ったら、俺はヘンタイになるの?とそんな無垢な目で聞かれても萌黄は黙るしかない。衣川の戦いの折、囮となって自害。
4人目、武蔵坊弁慶ーー義経四天王の一人。義経の一の家来と言われ、長く昔話として題材となる荒くれ坊主。義経曰く、現代人にとっちゃ謎多き歴史人物だろうけど、ゴツいのは間違いないらしい。衣川の戦いの折、義経を守るために無数の矢を受けて戦死。
「言っちゃえば、俺に仕えていた全ての家臣を蘇らせたかったよ?でも仏もいけずな奴でさ、死んだ人間をあまりに多く蘇らせるのは、浮世の理に反するんだって。だから4人だけなら、かつての家臣を蘇らせていいって言われたのよ」
それはそうだと萌黄は小さく頷く。死んだ人間がポンポン蘇るならば、この世は天国よりも都合がいい。
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