レオナルド・ダ・ヴィンチに呪われた少年

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レオナルド・ダ・ヴィンチに呪われた少年

 生まれ変わり、というものを信じるだろうか。前世、輪廻転生、様々な言い方があるだろう。  中学生の頃、隣のクラスに絵を描く少年がいた。若くしてその才能を発揮させた彼は、数多くの作品を世間の目に晒されレオナルド・ダ・ヴィンチの再来ともてはやされた。彼は満更でもなさそうに、俺はダヴィンチの生まれ変わりだと豪語していた。再来と生まれ変わり、その意味は違うものであったが、彼の有頂天な心に釘を刺せるような賢い同学年の子供はおらず、大人は更にもてはやすように彼の意見に同意していた。事実、彼の技術は群を抜いていたし、プロの画家が描いたと言えば誰もが信じるようなものを描いていた。  しかし彼がダヴィンチの生まれ変わりではないことは誰もが知っていた。生まれ変わりなど、前世などわかるはずがないのだ。彼に何も言わない子供も、もてはやす大人も、彼がダヴィンチの生まれ変わりだと信じていなかった。  私だけが、そう、私だけが彼の前世の存在を、知っていた。     
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