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青葉くんとぼく
青葉くんが死んだ。
明るくて元気な青葉くんは、夏が終わると同時に消えていった。
春の木漏れ日のように温かく、夏の陽射しのように眩しく、秋の紅葉のように激しく、そして冬の銀世界のようにもの悲しい人。
冬には机に突っ伏して眠ることが多い彼は、夏には楽しそうに笑う、夏に生きる少年だった。
青葉くんはクラスの、学校中の人気者だ。彼が笑うと周りも笑顔になる。そんな彼の周りにはいつも人がいた。ぼくはいつも遠くから、青葉くんを眺めているだけだった。
昔から内気な性格で、勉強ができるわけでもできないわけでもない。でも苦手な科目はたくさんある。好きな季節は静かな秋。そんなぼくが、初めて「青葉嵐」という人物に出会ったのは、ある夏の日のことだ。
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