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相変わらず、何度も何度も同じ夢を見た。そして何度も何度も同じところで起きる。 しかし最近少しだけ、変わってきた事があった。 「早雪さん」 それは時々、葉ではなくて隆也の夢を見ることがあること。 そんな日は瞳に涙は溜まっていなく、何となく温かい気持ちで目覚めることが出来た。 「ニャー」 しかし目覚めると、部屋にいるのはヨウだけで、隆也はもうこの場所にいないという事実を突きつけられる。 (私は後悔してるのかな・・・) 隆也と会えなくなって、一ヶ月が経とうとしていた。 隆也と過ごした日々よりも、会っていない時間の方が長くなった。 それでも早雪の胸の痛みがなくなることは無く、むしろ増していく一方だった。 「いつまでそんな顔してるんですか?」 いつものように学校帰りの萌が、店を手伝いに来る。 ぼんやりと食器を拭いていると、呆れたように声を掛けられた。 「え?」 「早雪さん、失恋した女子高生みたいな顔してますよ?」 「女子高生?やだなぁ、そんなに若くないって」 「あくまでも例えですって。それぐらい酷い顔ってことです」 「・・・酷い顔かぁ」 早雪は苦笑いしながらも、酷い顔の自覚があったのでそれ以上は何も言えなかった。 「携帯、知ってるんですよね?」 「うん、まぁ、一応」 「かければいいじゃないですか」 「うん、でも・・・」 「遠恋でも良くないですか?」 「あっちから連絡ないってことはさ、私は必要ないってことなんじゃないかな?だって水神さんはあくまでも旅行で来てて、非日常的だったわけじゃない?そこで知り合ったから、気持ちが盛り上がっちゃっただけでさ、帰ったらふっと冷めたみたいな、そんな感じなのかも」 「・・・じゃあ、そう思うなら、そんな顔するのやめてください」 「だよね、ごめん・・・」 萌の言うことは正論過ぎて、早雪は謝ることしか出来なかった。こんな風に義妹に心配ばかりされていて、本当にダメな義姉だと自分で呆れてしまう。 「いらっしゃいませー」 どんなに隆也のことを引きずっていても、それでも早雪は仕事だけはちゃんとするように心掛けていた。 お客様の前では出来るだけ明るく元気に振舞った。
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