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「Can I have four people?」
(四人入れますか?)
この日は夕方に、背の高い四人組の外国人が入って来た。
「イエス」
早雪は拙い英語を使って、四人組を案内する。席に着くと英語のメニューを見せて、なんとか接客をした。
「あの外人さん達、全員すごく綺麗ですね。どっかの国のスターとかかな?」
「確かに綺麗だけど・・・スターがこんな店にはこないでしょ」
息を飲むような美貌の四人組に萌はうっとりしていたが、早雪はいつも通り接客をして、料理を提供した。
するとその外国人の一人が、店の飾り棚に置いてあった隆也の写真集を手に取った。早雪は嬉しくなって、すかさず声を掛ける。
「This picture was taken by my friend.」
(この写真は私の友達が撮ったんですよ)
「Really? It is amazing photos.」
(本当に?とても素晴らしい写真ですね)
そう言うとその外国人は、他の仲間達にも写真集を見せ始めた。流暢な英語が飛び交っていて詳しくは分からなかったが、みんな感動しているのは明らかだった。
「How much is this book?」
(この本はいくらですか?)
「え?!」
なんと外国人の一人が、レジに隆也の写真集を持ってきて、購入したいと申し出てきたのだ。
正直この写真集は、あくまでも早雪の私物で売り物では無い。ただ、お店に来たお客様に見て欲しいという一心で置いたものだった。
「Present for you.」
(あなたに差し上げます)
「Really?」
(本当に?)
「Yes!Please tell everyone the wonder of the book.」
(もちろんです。その本の素晴らしさをみんなに伝えてください)
「Thank you very much! You are truly amazing.」
(ありがとう!あなたは本当に素敵ですね!)
早雪は結局、写真集を外国人に譲ることにした。新品ではないし、売り物でもないので気に入ったのならプレゼントしたいと素直に思った。
そのままその四人組は、写真集とお店のショップカードを何枚か持って、嬉しそうに帰って行ったのだった。
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