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「早雪さん、いいんですか?写真集、あげちゃって」 「うん、水神さんの写真の良さ分かってくれたから嬉しくて。それにあの写真集、まだネットで買えるし」 「本当に人が良いんだから・・・」 萌に少し呆れられながらも、早雪は国も文化も違う相手に隆也の写真の良さを伝えられたので満足だった。 その夜、早雪は真っ先に外国人にプレゼントしてしまった写真集を注文し直した。今度は欲しいと言われても対応できるように、同じ写真集を三冊ほど購入したのだった。 「早雪さん、大変です!これ、見てくださいよ!」 そんな風に慌てて萌が店に入って来たのは、次の日の事だった。 「どうしたの?そんなに慌てて」 「昨日来たやけに綺麗な外国人、やっぱりスターだったみたいですよ!」 萌はそう言うと、早雪に携帯の画面を見せた。そこには昨日来た外国人四人組が映っていた。 「え、なになに。グラミー賞連続受賞、ビルボード20作連続一位、人気イギリス人バント?ザ・ローリング・クィーンズ?・・・ごめん、私、音楽は疎くて。・・・つまりすごいってこと?」 「今、世界的に注目されてる人気バントです。なんか、どっかで見たことあるって思ったんですよ!そしたらたまたま、洋楽好きの友達が、このバントがお忍びで宮島に来たらしいって騒いでて。厳島神社とかその辺をふらっと見た後に、おそらくこの店に来たのではないかと」 「そんな人気者なの?!」 「今、相当きてるみたいで、日本でも最近アルバムがヒットしてるみたいです。私も何曲か聴いたことありました!」 「そうなんだ。私、ほぼ店にいて、テレビとか見ないからなぁ。島からもほとんど出ないし・・・」 「あー、サイン貰っておけば良かったぁ。あとは写真撮っておけば良かった!」 萌の興奮の様子を見て、どうやらすごい人に会ったんだなということは分かったが、早雪はあまり実感が無かった。 しかしある事を思い出して、思わず大きな声を上げる。
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