ボク(僕)とママ(母)

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ーひっく……ひっく…… ボクは夢の中から抜け出して、目を覚ます 耳を傾ければ、間違いなく誰かが怒ってドアを乱暴に閉めて、誰かが泣く声が聞こえた。 その2人は僕のパパとママだということは分かりきってる またパパが、ママの事を押したから ママは壁さんにぶつかって イタイ、イタイ… なんだよね? 「ママ、大丈夫?」 階段を下りると おすわりトン、して泣いているママがいた。 ボクはママに近寄り頭を、いい子いい子してあげる 「どこか、イタイの?」 ボクがおケガした時にママが聞くマネをしたら 「ありがとう」 涙を浮かべた 片方の腕でぎゅっとしてくれた 「ママ、ボクがそばにいるよ」 だから、その手のお料理に使う包丁はいらないよ 「早く大きくなって、ボクが、ママを幸せにするから、」 だから、死なないで、 もっと、もっと たくさん生きて もっと、もっと たくさん想い出作ろう そうしたらきっと… 数十年後 そこには 新しい家族の姿があった。 「ばぁば!ばぁば!」 バタバタ走り回る幼き我が子に 「すみませんお義母さん、この子ったらお義母さんの事が大好きで…」 僕が選んだパートナー 彼女もまた両親が離婚しているのと他にも共感出来るものがあって 何よりも息子の俺よりも 母と話す時、横顔が似てるんだよなー。 「あらあらあらあら…ばぁば、嬉しいわ」 確実に 俺が幼かった頃より、笑うようになった 「ほら、写真撮るぞー」 そう、数十年前の今日は 母が死のうとした日 今日まで色々あった バイトに明け暮れる毎日だった また、母も日夜パート。 お互いに疲れすぎて笑う日もあった 「行くぞー……よし」 シャッターのタイムをセットし、椅子に座る母の傍にいく 「なぁ、母さん」 「なぁに?」 「今 幸せか?」 「ええ、もちろん幸せよ 今日まで、ありがとうね…」 母の声が震えていた 「うん、僕の方こそ…」 その瞬間シャッターが下りた 《ありがとう》
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