日渡良太の幽霊な日々 ５

まずは説得から

　ソンビは言った。

「まずは正攻法でいこう」

　対話なくして解決には至らない。天使は良太にオニキスを手放すように説得を試みた。

「良太さん、お帰りなさい」

「おう、ただいま」

　夕飯のオムライスを座卓に置くと、天使も食事の席に着く。パワーストーンの話題を切り出すのなら、このタイミングがベストに違いない。

　難しい話題は、食事の席で伝えると話が相手に通りやすいらしい。大学の心理学の授業で教授が言っていた。ここは1つ、先生の言葉を信じて。オムライスを食べ進める良太の様子を、天使はひたすら窺う。