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天使は一堂に会したメンバーの前で、重々しく口を開く。両肘をテーブルにつけ、絡ませた指先に口元を寄せながら、瞳をくるりと動かした。
「他でもない、良太さんの件だよ。去る9月17日、良太さんは立ち寄った雑貨店でパワーストーンを購入したんだけど……それが良くなかった。そうだよね? 幽霊ちゃん」
「はい。前回お話した内容と同じになりますが、確認を踏まえて、今一度お伝えしますね」
天使の右隣に腰掛けていた幽霊が、長い髪を揺らしながら頷いた。それからゆっくりと言葉を紡ぐ。
秋晴れが映える某休日。昼は外食でもしようかと、良太は繁華街を歩いていた。
良太にとり憑く女幽霊は、良太の守護霊としての任務を全うするために、外出に同行していた。
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