日渡良太の幽霊な日々 ５

ことのはじまり

「ちょっと、やめてくださいよ。私という守護霊がいるんですから、そんなもの必要ありません」

「言ったな？　というか、守護霊なら魔除けの対象にはならないし、パワーストーンの影響は受けないだろ。だから、俺がこれを買っても問題はないってことだ」

　良太は幽霊の反対を押し切り、オニキスを購入。直後、明らかな異変が幽霊を襲う。

「良太さんがオニキスを手にした瞬間、彼に近づくことが出来なくなりました」

　パワーストーンは持ち主との相性がある。どうやら良太が購入した298円のオニキスは、相性抜群だったようだ。小さいながらも力持ち。あっという間に良太の周辺に強力な結界を張り、霊は立ち寄れなくなってしまった。