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『香奈、困るんだよ。
あんなことメッセージにされたら』
『自業自得でしょう!!
友里はあなたが助けてくれたと言っていたけど、実際はあなたがミスを押し付けていただけ!
自分の地位を守りたいがために…、違いますか?』
『はぁ……ははっ、お前は佐藤と違って頭が良いな。お前の言うとおりだよ
だがな、騙されるアイツもアイツだ
明らかに不自然なミスだって俺が言えばすぐにへこへこ謝ってくるんだぜ?
本当に面白かったなぁ』
『ッ…最低!!友里はね、母親が重い病気を患っているの
その治療費のために他の幼い兄弟に代わって一人で頑張っているのッ!!
不器用な私にだってすぐに話しかけてきてくれる、良い子、なの……
だから、っ』
『だからもう友里に…!友里に近づかないで!!』
『……言いたいことはそれだけか?』
『……っ、友里を、親友を傷つける貴方とは結婚できません』
『正直、お前に婚約破棄されようとどうでも良い
お前以外にも俺に見合う女なんて沢山いるからな。
だがな……俺の立場を崩すのだけは許せない』
『…………』
『お前、明日から自分がどうなっていくのかわかるよな?』
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「この内容から察するに、加藤さんが香奈さんを追い詰めた張本人だろうね
彼、社内でも上の立場だったんじゃない?
そんな人の言うことはほとんどが賛同するだろうしね」
その会話を聞いた後の彼女は再び涙を溢れさせる
「そんな、じゃあ、私……私なんてことを……」
彼女は拳を握りしめて震わせていた
「正直、これだけでは直接彼女を殺害したわけでは
ないから逮捕とかは難しい」
青年は静かに彼女に近付き、一枚のカード型の紙を差し出した
「もしキミが本当に復讐を望むなら、
俺はその手伝いをしてあげられる」
それは名刺だった
そこに書かれた名前を見た彼女は驚いて顔をあげる
「あなた、あなたがあの……!?」
青年はにっこりと笑って、はい、と返事を返す
「私立探偵の、朱原倫也です」
そして倫也は香奈のスマートフォンを友里の手にのせる
「いつでもご連絡、待っていますから」
では俺はこれで、と倫也はその場から立ち去り、花屋の中へと戻っていく
静斗は唖然としている彼女を一瞬見たが、
すぐに倫也の後を追いかけて行った_
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