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__店内
「なぁ、あの人のやつ、やってやれば良かったんじゃねぇの?」
「それは彼女が決めることだ
部外者の俺が決めることじゃない」
もちろんキミもね、と言われて静斗は口をつぐむ
「……ところで、沈丁花の花を買いたいんだけど
良いかな?」
ああ、そういえばそうだったと静斗は急いでレジに立つ
「えっと……て、あ……?」
値段を打とうと数字のボタンを押すが反応がない
「あーっと、…少々お待ちください」
静斗はスタッフルームの扉を少し開け、
先輩にあたる店員を呼んだ
しばらくして倫也に謝りながら男の店員が来て、
レジを調べていた
「あーー、こりゃ完全に壊れてるね」
「これ、ずっとこのままじゃヤバイッスよね……」
「うーん、あ、でも店長がリニューアルオープンする時に全部新しくするって言ってたから多分大丈夫じゃないかな?静斗くん、伝えておいてくれる?」
「了解ッス」
倫也はへぇ、と声を漏らす
「ここ、リニューアルオープンするんだね
じゃあ、またお邪魔しようかな?その時はまた花について教えてよ。えっと、静斗くん、だっけ?」
それに静斗は戸惑った様子を見せた
「いや、あーっと、俺バイトだったんで、リニューアルオープンに合わせてここ辞めるんスよ」
「えっ、そうなの?もったいない…花に詳しいみたいなのに……」
「いや、あの俺全然詳しくないッス
あれは特徴にどんどん当てはめてっただけで…」
「……へぇ」
静斗が花を持ってきた時と同じように関心したような声を出す
そこで倫也は思いついた、という顔をして静斗に話しかける
「ね、キミさ、次働く場所は決まってるの?」
「え゛っ……と…………………………ないッスね、残念ながら」
倫也はさらに笑顔になる
「じゃあさ!!!俺のところで働いてよ!!」
___助手として!!!
静斗はその言葉に固まっていたが、先輩の店員は
少し汗をかいて「良かった……ね?」と呟いていた
「あ、そうそう沈丁花の花言葉は実にたくさんあるんだが……」
___『歓迎』の意味もあるんだよ
「俺はキミを大いに歓迎しようじゃないか」
「お前やっぱ元々沈丁花知ってたんじゃねーーーーか!!!!」
…………To be continue!
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