理由がありませんっ!

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 ……意外に地元に浸透してんな、この支社長。  来たばっかりなのに、と深月が思っていると、陽太は、こちらを振り向き、 「好きなとこでくつろいでろ。  デッキでも、リビングでも、ベッドでも」 と言ってくる。  いやいや、ベッドはよくない思い出があるので、と赤くなったのを見てか、陽太はちょっと笑って言ってきた。 「風呂には入るなよ。  すぐに着くからな」 「はっ、入りませんよっ」 と言い返したあとで、深月は、 「あの、一緒に操舵室行ってもいいですか?  ちょっと興味があるので」 と訊いてみた。  操縦するところを見てみたかったからだ。
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