支社長室に神が舞い降りました

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   帰りの電車の中で、深月がまだ錠剤の話をしていると、陽太は笑い、 「今日は二人の楽しい思い出が共有できたな」 と言ってくる。  いえいえ。  共有できたのは、人様の小話ですよ。 「あの話の続きが気になるのなら、やはり、興信所の人間を雇って、あの二人を探させようか。  お前のためなら、やぶさかではない」 と陽太は言い出すが。  いや……続き気になってるの、貴方じゃないですかね? と深月は思っていた。  そんな話をしているうちに、神社近くの駅に着いていた。 「船は便利だが、車もいるな」 と駅から歩きながら言う陽太に、 「でも、電車も楽しいですよね」 と深月は笑って答える。 「まあな。  だが、今度、お前と出歩くときのために、この近辺に車を一台買って置いておくよ」 と陽太は言い出す。  それだけのために、わざわざ?
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