理由が必要か?

4/150
3886人が本棚に入れています
本棚に追加
/485ページ
   いつ、いつ出ればいいのでしょうかね? 我々は。  コミュニティセンターの片隅で、深月は近所のおばちゃんたちと話しながら、ハラハラしていた。  これ以上遅くなると、もう帰ってこれなくなるよなー、と思いながら時計を見る。  陽太が、 「お前にピッタリな滝行の場所を見つけたぞっ。  八時に出ればギリギリ間に合うっ」 と言っていたのだが、そろそろ八時だ。  今日は幸い、練習に早めに参加できて、陽太の出番も自分の出番ももう終わったのだが。  やはり、片付けまで居るべきなのでは? と深月は迷っていた。  陽太は陽太で、おじさんたちに捕まり、熱のこもった指導を受けている。  陽太が何処に行くつもりなのかよくわからないが、そろそろタイムリミットだ。  普段はちゃんと片付けて帰っているし。  用事があるときは、途中で抜けてオッケーなことになっているのだが。  二人同時に抜けるのは明らかに怪しい。
/485ページ

最初のコメントを投稿しよう!