理由が必要か?

28/150
前へ
/485ページ
次へ
 酔って連れ込んだ女相手になにやってんだと思いながらも、微笑ましく深月の寝顔を見ているうちに――  ……自分も寝てしまったんだった、 と陽太は思い出す。  なんにもしてないじゃないか、俺っ!  結局、ヘタレかっ。  キスすらしていないっ。  てか、こいつ、なんで、なんにもされてないってわからなかったんだ?  ああ、処女だからか……。  どうしたらいいんだ、と陽太は苦悩する。  今まで、既に、なにかしてしまったので仕方がない、という感じで、深月は自分の側に居てくれた。  あのとき、なにかあったと思っているからこそ、こうして一緒に滝行にも行けたことだし。  いや、深月がほかほかになって出て来ただけで、なんの修行にもなってないんだが……。  ……なにもなかったとわかったら、深月は俺から離れていってしまうんじゃないだろうか?
/485ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3899人が本棚に入れています
本棚に追加