理由がありませんっ!

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「ああ。  今日はコンタクトが見当たらなくて」 「なんだ。  今朝、睨まれてたのかと思いましたよ」 と笑ったが、 「睨んだんだ」 と言われてしまう。  ……コメントの返しようがない、と三種類のメモ帳を手に固まっていると、杵崎は深月の手にあるそれを一冊ずつ手にとって見ながら言った。 「それにしても、お前があんな計算高い女だとはな。  酔ったフリして、支社長に言い寄るとは」 「酔ったフリはしてません。  本当に酔ってたんです」 と言って、 「最悪だな」 と言われてしまったが。  今、何を言っても最悪だと言われそうな予感がしていた。
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