理由がありませんっ!

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   陽太が総務の前を通ったとき、何故か深月は、ほぼカウンターに上半身を乗せるくらいの感じで、女子社員と話していた。  なにをやってるんだ、仕事しろ。  自分がちょっと遠回りして、総務の前を通ったことは棚に上げ、陽太は思う。  軽く睨んでやると、こちらに気づき、慌ててカウンターから離れた深月が、 「おっ、お疲れ様でーす」 と微笑みかけてきた。  ……二人きりのときもそのくらい笑えよ、と思いながら、陽太は軽く頭を下げ返し、総務の前を通り抜ける。
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