第一の試練

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第一の試練

翌日(この場合は夢での)起きると何故か注射器を手にした深雪がメイド姿、ではなく私服で立っていた。深雪「昨日は言い忘れていましたが、私たちの職業正式には『夢人安定救済士』といって国家試験の項目の一つにあるんだよね。」いきなりため口かと思っていたら、「ここでは救済者と夢人が気さくに話せるようにお互いにため口で話すのがこれも通例。あっ、話長引いてごめんね。要はやぶ医者とかじゃないってことを言いたくて。」分かったよと言うと、注射器を献血するときのように腕に刺した。血だから赤いのかと思いきや、なななんと黒だった。深雪曰く色によってその夢人の精神状態が分かるらしい。彼女はありがとうと言うと僕を食堂に連れていった。美味しそうなフレンチトーストがそこにはあった。食べようとしたその時、今度は現実で目が覚めてしまった。今更だが、起きていてはあっちの世界にいけないのだ。かといって、深い眠りでも夢が現れない。僕は夢を見る大変さを改めて知った。
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