Damned confession.

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 強化プラスチック製のポールが大きくしなり、金髪の男の体を雲ひとつない青空へ向かって投げ上げる。あらかじめ定められた運命のように、男が足から先にバーを越えていく。  ――目に焼きついて離れない、あの日の映像が脳裏でプレイバックされた。  あいつ(・・・)が校庭で、棒高跳びの世界記録を超えるところを見たのは、もう遠い昔のような気がする。  あいつは何だって超えていける。あいつは自由の象徴だ。  ニジンスキーの言う通り、俺は集中力が低下してるようだ。仕事の最中に昔の思い出にひたるなんてあり得ない。過去なんか振り返るのはジジイのすることだ。  俺たちは、市の清掃ロボットも入ろうとはしないごみだらけの路地を通って、本日四人目の債務者の住処へ向かっているところだった。  「教授」というあだ名のその債務者は、ノヴァヤモスクワ市ではけっこう有名な死体の処分屋だ。特殊な薬品を使って、わずか五分足らずで跡形も残さず死体を消せるので、各種犯罪者たちに重宝されている。その完全にイカれている目つきを見れば……死体を消すだけじゃなく、作るほうもかなりやってるんじゃないか、という噂も納得できる。  なんでそんなヤバい男に金なんか貸したんだよ、とも思うが、俺たちの雇い主であるユロージヴイ金融は顧客を選ばないことで名高い金貸しだ。     
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