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仲間のおかげで生き残ったアンは、その後にグレイとニコと共に国から逃げ出す。
その後もアンは、未だに恐怖に怯えていた。
今は大丈夫でも、いつ自分が仲間たちのように機械化するかわからない。
それを考える夜も眠れない日もあった。
だが、それでもアンは、自らの意思で戦うことを続けている。
「アン、下がっていろ。少々派手にやる」
そう言ったキャスの身体から、水流の音が聞こえ、その身を透き通った水が包んでいく。
全身に纏った透き通った水が、月の光を浴びて青みを帯びる。
その姿は大昔の物語に出てくる四大精霊のうち、水を司る精霊――ウンディーネのようだった。
「ここは人気がないからな、思いっきりやれる」
キャスは、そう言うと手をかざした。
掌から、津波のような勢いで大量の水が飛び出し、氷熊を吹き飛ばした。
キャスは水を操れた。
彼女が18歳という若い年齢でストリング帝国の将軍に選ばれたのは、剣の腕前と聡明さだけではなく、この力があったからだと思われる。
なぜ自然の力を操れるのか?
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