2章

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「うぐぐ、そんな言いかたをしなくったていいじゃないか。私は少しでも早くお前と仲間を会わせてやろうとだな」 「私は見たまま言っただけだよ。キャスだって、そんな怒らなくったっていいだろう」 「怒ってなどいない!!!」 「完全に怒っているじゃないか!!!」 2人が言い争いをしていると、そこに少女が現れた。 「ア、アン!? どうしてここへ!?」 赤毛のセミロングに赤い防寒具を着ている少女。 首にはゴーグル、手には革のフィンガーグローブ。 マナ・ダルオレンジが目に涙を浮かべて、プルプルと震えながら立っている。 「アン、会いたかったよ~」 マナは持っていた薪木(まきぎ)を放り捨てて、アンに抱きついた。 「マ、マナか!? って、うわッ!? コラ、会って早々くっつくな!!!」 アンはウザったがっているが、内心ではマナと同じように喜んでいた。 反帝国組織バイオ・ナンバーのゴタゴタに巻き込まれ、離れ離れにされ、ようやく再会できたアンとマナの喜びは、今の2人を見れば誰でも理解できるものだった。 そんな2人をキャスが静観(せいかん)していると――。 「で、そっちの女性(ひと)は誰?」 マナはアンを(にら)むように顔を強張らせ、突然何かに気がついたように言う。 「はっ! まさかあたしというものがありながら……酷いよぉ~アン~」     
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