55人が本棚に入れています
本棚に追加
/246ページ
「うん、ご飯も出すよ!! これからよろしくお願いします!!!」
それから数か月――。
緑のジャケットを着た男によって、ロミーとクロムは鍛えられた。
「ロミー、君がキメラに勝っているところは俊敏性だけだから、そこを活かすんだ。スピードでかき回してやれ」
――ロミーに対して。
「クロムは力持ちだから、それを活かした戦いかたがいいよ。その大きなハンマーを振ればキメラなんか卵みたいに潰せる」
――クロムに対して――。
「ルーはできるだけでいいからサポート。敵と距離をとってロミーにマガジンを渡したり、味方が安全な位置にいることを確認してからハンドグレネードを投げつけたりとか」
――そしてルーに対しても――。
その後にロミーたちは、何度か男と共に、合成種の巣を探しては全滅させていった。
ある日――。
いつものようにクロムが起きると、枕元に手紙が置いてあった。
「ねえ、これ見てよ!! あの人が何も言わずに行っちゃったよッ!!!」
それを見た彼は、窓を開けて、罠を確認しているロミーとルーに叫ぶように声をかけた。
だが、ロミーとルーはただ黙って頷くだけだった。
手紙にはこう書いてあった。
――ロミー、クロム、ルー。みんな幸せにね。
最初のコメントを投稿しよう!