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そのときのアンとキャスの冷たい表情を見て、ニコがマナに寄り添いながら震えている。
マナは立ち上がり、両手をブンブン振って、自分が食べていないことを主張していた。
だが、2人は――。
「こいつはあれだろう、現場を最初に見つけたということで、さも自分は犯人ではないアピールってやつだ」
「なるほど。さすがキャス。名推理だな」
「まだ進めてる!? あたしじゃないよぉ~!! 信じてぇ~!!!」
そんなこんなでドタバタしていると、ドラム缶風呂がある奥のほうから物音が聞こえた。
アンたちは、すぐに新犯人だと思い、そちらへ向かうと――。
「あっ! お前は!?」
そこにあるものを見て、アンが叫んだ。
そこには、先ほどここに来る前に見かけた、豊かな黒い毛で覆われた子羊がいた。
その黒い羊の口の周りには、食べカスがついていて、おまけに下品にゲップまで出している。
誰がどう見てもこいつが犯人だと、アンたちは思った。
「ほら、あたしじゃなかったでしょ!!!」
マナが、頬を膨らましてプンプンと怒り出した。
キャスは苦笑いしながら申し訳なさそうに謝ったが、アンは無愛想に言葉を返す。
「いや、だってマナはいつも食い意地が張っているから、それくらいやるかなって」
「あたし、そこまでじゃないよッ!!!」
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