プロローグ

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2本足で立っているツギハギだらけの機械。 それは、頭部が無い人型の形状をしており胴体の上に操縦席を配置され、操縦者が()き出しになっていた。 この雪の大陸に住む、盗賊たちが使用しているスチームマシーンだ。 そのスチームマシーンに乗っていた1人が、レバーを動かした。 「命が惜しかったら、持っているもんすべて置いて行きな」 スチームマシーンの腕が動き、手についているマシンガンをバイオ・ナンバーの2人へと向ける。 スチームマシーンの背から()き出している蒸気が、威圧するように大きな音を鳴らしていた。 2人は、持っていた武器――突撃銃であるステアーACRと小さな白鹿(ホワイト・レインディア)をさばくのに使った小さなナイフを雪の地面へと置いた。 そして、背負っていたリュックに詰めてあった大量の生肉を、リュックごと前に投げ出す。 「マジでか! こりゃスゲー量の肉だな。帰ったらさっそくパーティーやろうぜ」 中身を確認したスチームマシーンに乗った男たちが歓喜の声をあげていると――。 突然、3台のスチームマシーンが跳ね飛ばされた。 「なんだ、人間(カス)どもかよ」 声が聞こえた。 それは8メートルはありそうな大きな生き物だった。     
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