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痛みで悲鳴をあげる半人半獣の生き物は、突然走り出す。
「逃がさない……合成種はあたしが根絶やしにする」
少女が半人半獣の生き物を追いかけようとしたとき――。
「た、助けてくれ……」
バイオ・ナンバーの2人が、黒装束の少女に救いを求めた。
肩から先が無くなっており、血液を流し過ぎたのだろう、2人の顔にはもう血の気はなかった。
苦しそうに声を発するバイオ・ナンバーの兵士2人。
だが、少女は――。
「……合成種が先だ」
「へっ!?」
そして、そのまま半人半獣の生き物を追いかけて行く。
「ま、待ってくれ!! 助けてくれよ!!!」
残されたバイオ・ナンバーの兵士2人は、何度も救いを求めたが、黒装束の少女が足を止めることはなかった。
「優先……合成種を殺すことは最優先」
少女はそう呟くと、そのまま暗闇へと消えていった。
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