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4章
アンたちが、この駐屯地にいる兵士たちに、組織の現状を説明をしている間に、マナの作った料理が食べられてしまっていた。
ガレージテント内は、特に荒らされてはいないようなので、何者かが盗みに入ったとは考えにくい。
「一体誰が食べちゃったの……」
俯いているマナは、力のない声で言った。
その様子を見たアンとキャスが、ガレージテントの中に入って来る。
ニコは2人の間をすり抜けて、心配そうな声で鳴き、マナに寄り添った。
そんなニコの後に続いたアンとキャス。
そしてアンが、外の寒さに負けないくらいの冷たい声で言う。
「よし、キャス。尋問の準備を」
「了解した」
アンの言葉を聞いて、キャスは自分の荷物からロープを出した。
丈夫で簡単には切れなさそうなやつだ。
それを見たマナは、それが何を意味しているかを理解して叫ぶ。
「あたしが犯人という方向で進めないで!!!」
マナの願いも空しく、アンとキャス2人は、彼女を固定するためのイスを出したりと、着々と尋問の用意を始めていた。
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