1章

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1章

白銀の大地には、どこまでも雪景色が続いている。 足元に広がる大地は、この大陸に入る者すべての生命を拒絶(きょぜつ)しているかのようだ。 そして、この大地に足をつけた2人――。 アン・テネシーグレッチとキャス・デューバーグ。 アンとキャスは、この過酷(かこく)な大地にいると聞いたシープ・グレイと、仲間であるマナ・ダルオレンジ、そして電気仕掛けの子羊ニコと会うためにやってきた。 2人はここまで乗ってきた蒸気ボートを、海岸に固定し、真っ白な地面の上を進んでいく。 乱暴な吹雪が皮膚に突き刺さるように、2人を向かい入れた。 その寒さの中――。 アンが地図を広げて、マナとニコがいると聞いた反帝国組織バイオ・ナンバーの駐屯地(ちゅうとんち)の場所を確認していると――。 「アン、こっちだ」 キャスが前に出て、アンに声をかけた。 アンは無愛想に返事をする。 「キャス、この吹雪だ。ちゃんと地図を見て位置がわかっていないと、確実に遭難(そうなん)してしまうよ」 だが、キャスは足を止めずに早足で前へと進んでいく。 アンが大きくため息をついて、それを追いかける。     
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