人気者の彼

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目の前に現れた彼は、うちの学年で一番人気のある男の子。 背が高くて、シャープな顔立ちだけど、目はくりくりっとしてて。 それでいて、みんなに優しい彼は誰からも好かれている。 「隣のクラスの片澤さんだよね?」 「え、あ、うん」 あたしなんかモブ中のモブで、素敵な女の子が周りにたくさんいる柏木くんにはあたしのことなんて知られてないと思っていた。 「あ、ごめん。片澤さん呼ばれていたよね」 「あ、そうだね。じゃあ.......」 もう話せなくなることに若干の寂しさを覚えつつ、柏木くんにぺこりと頭を下げて、職員室へと向かった。 いつも遠巻きに見ていた柏木くん。 そんな彼を初めてあんな近くで見て、そして話して。 あたしだって、彼のことをカッコイイと前から思っていた1人だ。 少しだけだけど、話せて嬉しかった。 あたしのことを知っていてくれたのも嬉しかった。 「この番号が柏木くんの番号なんだ.......」 女の子たちがなかなか交換してもらえないと言っていた柏木くんの電話番号。 こんな形でゲットできちゃうなんて。
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