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「いや、かな.......?」
遠慮がちに聞いてくる柏木くん。
「いや、というか.......信じられないというか」
こんなとき、ハッキリと物を言えない自分が嫌になる。
全然、柏木くんのことを嫌だなんて思っていないのに。
自分に好意を持ってくれたことさえ、ありがとうと言えないだなんて。
「どうして?」
「柏木くんみたいな人気者が.......あたしみたいなモブキャラのことをすきだなん.......「何言ってるの?俺は、誰よりも片澤さんのことが可愛いと思ってるんだけど?人気だって、たまたまメガネ外したらなんか女の子が寄ってきちゃっただけで、元々俺は全然モテなかったし。俺の言葉信じられないなら、それはショックだよ」
「あ.......」
あたしの言葉を遮って、言った彼は少し怒っているような口調だった。
そりゃそうだ。
たとえ、あたしだとしても、思いを伝えるのは勇気がいることだろう。
その勇気をあたしは、踏みにじっていることになるんだ。
「メガネ外したのだって、少しは外見よくなるかなって、あのときの受験の子に会えたら少しでも気に入ってもらえるかなって。それだけなんだよ」
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