人気者の彼

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「.......ごめん」 柏木くんがメガネを外した経緯に自分が関わっていたなんて。 柏木くんの思いを聞いて、胸がきゅうっと苦しくなる。 「それは、なんのごめん?好きって言ったことに対して?」 「あ、それは違う.......。勇気だしてくれたのに否定するようなこと言っちゃって.......ごめん」 自分は本当に言葉足らずだ。 人と、特に男の子と話すことに慣れていなくて、すぐにこう端的な話し方になってしまう。 「俺、入学して真っ先に片澤さん見つけて。いたって喜んだけど、3年になっても1度もクラスいっしょにならないし、話しかけるタイミングないし。でも、友達と話してるとことかみかけて、声聞いて、可愛いなってずっと思ってたんだ」 「.......っ」 なんだろう、すごくドキドキする。 初めて告白されているからだろうか。 でも、誰だっていいわけじゃないと思う。 「さっき、トモにかけて、片澤さんの声が聞こえて、やけに似てる声だなって思ったら放送聞こえてきて.......いてもたってもいられなくて、探しにきた」
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