理沙ちゃん

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 おかしい。お気に入りのフォルダの中から悩みに悩んで選んだ一枚を設定してたはずなのに、待ち受け画面に表示されてるのは見たことない動物のキャラクター。その上に並んでるアイコンだって、取った覚えのないアプリばかり。  混乱してると、ラインの新着メッセージの通知が届いた。そこでまた首を傾げる。送信者は、全く心当たりのない相手。 「って、違う! これ私のスマホじゃないっ!」 「えっ! そうなの!?」 「うんっ! 絶対違うっ!」  うっかりメッセージを開いてしまった後に、私はようやく気付いた。  画像が勝手に変わったわけでも、アプリが勝手にインストールされたわけでもない。これ、同じ機種だけど、スマホカバーも全く同じ物だけど、違う。私のじゃない。 「ってことは……」  これはさっきぶつかった女の子の物で。彼女が拾っていった方が、私のスマホ。  私は急いで周りを見回した。ワンピースを揺らす後ろ姿は見えなかったけど、かろうじて見つけた。既に遠くなってる、金髪の男の子の背中を。 「ま、待ってっ!」  人混みの中で見失わないよう、私もすぐさま彼の後を追いかけた。
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