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首筋に小さな、赤いアザ。ポツン、と1つ。ソレは、小さくてもしっかりと。まるでそこにある事を主張するように。
つけたその人の主張が、聞こえる。
そう。『この人は、私のモノよ!』って!
目を見開き凝視するあたしを見た遼ちゃんは、その視線の先からハッと気づき、手で首筋を隠した。
あたしの頭の中はもうぐちゃぐちゃだった。
『きっと平田センセの中にはまだーー』
彩乃ちゃんの言葉があたしの中でぐるぐるとまわる。
やだ! やだやだやだやだやだ!遼ちゃんが――! そんなの、やだ――――――――!
「ひよ!?」
遼ちゃんがあたしの両手を掴む。あたしはその手を振り払い、遼ちゃんを突き放して立ち上がった。
遼ちゃんがどんな顔をしてるかなんて、もう見えない。もう、自分が何を叫んでいるかもわからなかった。
遼ちゃんの昔の彼女。
あたしのクラスの子が言ってた。
昨日は誰に会ったの!?
あたしは遼ちゃんがーー、
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