母宛の手紙

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前略 飯田和子様   突然のお便りを失礼いたします。私、本木康子と申します。お電話よりかはそちら様のお時間に土足で立ち入ることにはならないと思い、筆を執りました。   実は、飯田一郎さんが二か月前の七月八日に他界されました。今からちょうど一年前に突然黄疸が出て精密検査をしたところ、膵臓がんでした。既に肝臓の大きな血管に転移しており手術は不可能、抗ガン剤治療を開始しました。しかし、今年四月末に再度体調を崩し、それから二か月少しで帰らぬ人となりました。私と息子の二人で看取りました。
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